紙ヒコ―キ
「あ、1つだけお願いがあるんだけど…」
「……??」
首を傾げるあたしに、女の人がそっと近付く。
そして、その“お願い”をあたしは聞いた。
「……良いかしら?」
あたしは思いっきり頷いた。
「本当にありがとう。あなたに会えて良かった。」
「そ、そんなっ…」
「いいえ。自信を持っていいわ。…じゃぁ、そろそろ失礼するわね。」
「あ、はい!ありがとうございましたっ!!」
「気をつけて帰ってね。」
そう言って手を振る女の人に、あたしも手を振った。
……今日は、すごくいい日だったな。
そう思うあたしを、オレンジ色の光が照らしていた。