紙ヒコ―キ
「み、宮地葵!!?」
あ………。
また、大きな声で叫んでしまった。
で、でも…宮地葵が急に抱きしめてきたりするから…いけないんだよ。
突然なんて、ビックリして当たり前だよね…?
「…だから、フルネームはやめろ。」
宮地葵の低い声を近くに感じて、更にドキドキ。
抱きしめられてるし、あたしのドキドキがバレてるんじゃ……。
そう思って、顔に熱を帯び始める。
「おい。」
体を離されて、じっとその瞳に見つめられて、あたしは更に顔を熱くする。
「な、何っ…?」
「お前、俺の話聞いてた?」
「? ……何て話?」
あたしが首を傾げて聞き返すと、宮地葵は溜息をついた。