紙ヒコ―キ



「中学校からは、毎日学校に行くようになったの。…まだ怖かったけど、彼女があたしの傍にいてくれたから、安心出来た。…いつも、守ってくれて。あたしを、皆の輪に入れてくれたんだ。」





だから、中学はとても楽しかった。





学校っていいな。友達っていいな。って、初めて思えたんだ。





「……それが、杏里ってヤツ?」





ずっと黙って聞いてくれてた葵が、口を開いた。





あたしは笑って、力強く頷いた。





「杏里には、ほんとに感謝してる。…だからね?あたしも葵の力になりたいと思ったんだ。」





「……俺の?」




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