紙ヒコ―キ
「もう…いいよ。」
あたしは小さな声で呟いた。
だって…。葵が辛いと、あたしも辛いもん。
葵は、あたしの言葉に首を振った。
「だけど、アイツは自殺した。守ってやるって言ってたのに、それは言葉だけで、結局アイツを守ってやれなかった。俺と付き合わなければ、アイツは…」
「違う!!」
あたしは思わず大きな声を出した。
「彼女はきっと…後悔なんてしてない。だって、言ってたの。彼女のお母さんが、“いつも娘は幸せそうに笑ってた”って。それって…葵の事、本当に好きだったんだと思う。」
「………」
「もう苦しまなくていいよ。彼女は…葵を憎んだりしてないと思うから。」