紙ヒコ―キ
葵がそんな風に想ってくれるのは、すっごく嬉しい。
あたしの事、想ってくれてるんだって、実感出来るから。
…でも、そんな苦しむ顔、見たくない。
葵が苦しい顔するなら、あたしは妬いてほしいなんて思わないよ。
「構わない。」
「…え?」
「映未の事を想って苦しむのは、辛くない。」
「………」
その真っ直ぐな瞳は、あたしの心をギュッと掴む。
「でも…、だからって、心配させんなよ。」
そう言って笑った葵に、また胸がキュンって鳴った。