紙ヒコ―キ
「もしかして…」
「…ん?」
「俺と初めて会った時、名前を叫んだのは…こういう事?」
「っ!!?」
まだ覚えてたの!!?
忘れてて欲しかったよお…。
「今、忘れてたら良かったのに、とか思っただろ。…忘れる訳ねえよ。初対面の奴に、名前叫ばれて、指差されるなんてさ。記憶に残るっつうの。」
そうだよね…葵の言うとおりだよ。今更だけど…何て失礼なことを。
「その時は…ほんとにごめん。」
「もういいけど。…でも、そのせいかずっと気になってた。お前の事。」
「えっ!?」
葵の手が、そっとあたしの髪に触れる。