紙ヒコ―キ
ずっと俯いてる映未ちゃんに、話しかける人は、誰もいなかった。
でもあたしは、そんな映未ちゃんが気になって、話しかけたんだ。
「あたし、杏里っていうの。よろしくね?」
ニッコリと笑って挨拶したけど。
…返って来たのは、沈黙。
重ならない視線に、少し胸が痛んだ。
あたしの周りにいた女の子達が、文句を言い始める。
あたしはそれを制して、もう一度映未ちゃんを見た。
「あたしと、お友達になろ?」
…さすがにそう言われたら、返事するだろうと思った。
それに、断るなんてありえないって思った。
…だけど、そんなあたしの予想は覆された。