紙ヒコ―キ
「友達なんて…ほしくない。」
一瞬だけ目が合って、本当にビックリした。
その瞳は、何も映していなかった。
聞こえた言葉も、弱々しくて震えていた。
……だから、先生に聞いてみた。
「どうして、この街に引っ越してきたんですか?」って。
あたしは、クラスの皆をまとめる役だったし、先生にも信頼されていた。
だから先生は、ヒミツねと言って教えてくれた。
「家の事情でね、お母さんが亡くなったの。だから、この街に住んでるおばあちゃんの家に引っ越してきたのよ。」
そうなんだ……。
あたしは、お母さんがいなくなる事を想像してみた。
でも、怖くて出来なかった。
大好きなお母さんが、いなくなるなんて、そんなの考えたくない。
そんな辛い想いを、映未ちゃんはしたんだよね…。
だから、あんな瞳をしてたの…?