紙ヒコ―キ
家の中はあったかい雰囲気で包まれていた。
あたしは、おばあちゃんの後にドキドキしながら続いて歩く。
「映未。入るよ。」
おばあちゃんが、部屋の扉の前に立ってそう言った後、静かに扉を開けた。
「映未、お友達が来たよ。」
中に入ると、そこにはベッドと机しかない、寂しい部屋の姿があった。
あたしの部屋みたいに、ぬいぐるみもマンガ本も、何1つとしてない。
…映未ちゃんの心みたいだと、そう思った。
そして、ベッドで丸まっている映未ちゃん。
布団を頭までかぶって、顔を隠している。