紙ヒコ―キ
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静かに瞳をそっと開いて、映未を見つめる。
映未の幸せそうな笑顔が、今、そこにある。
あたしの願って来た笑顔が。
あんなに冷たくて、何も映さなかったあの瞳も。
今は、キラキラと輝きに満ちている。
それは、きっと…葵君のおかげかな。
――葵君が、この学校に転入して来たとき。
あたしは、映未と初めて会った日を思い出した。
…すごく、似てたんだ。
でも、映未が、“変わってほしい”って頑張ってたよね。
昔のあたしを見ているような気分だった。
映未。…頑張ったね。
強く…なったね。
2人が幸せなら、あたしも幸せだよ。
……人の幸せを心から願うって、出来るんだよね。