紙ヒコ―キ



×××××




静かに瞳をそっと開いて、映未を見つめる。





映未の幸せそうな笑顔が、今、そこにある。





あたしの願って来た笑顔が。





あんなに冷たくて、何も映さなかったあの瞳も。





今は、キラキラと輝きに満ちている。





それは、きっと…葵君のおかげかな。





――葵君が、この学校に転入して来たとき。





あたしは、映未と初めて会った日を思い出した。





…すごく、似てたんだ。





でも、映未が、“変わってほしい”って頑張ってたよね。





昔のあたしを見ているような気分だった。





映未。…頑張ったね。





強く…なったね。





2人が幸せなら、あたしも幸せだよ。





……人の幸せを心から願うって、出来るんだよね。





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