紙ヒコ―キ



……そして、今に至る。





今更だけど、眠すぎる。瞼が重くて、今にも閉じてしまいそう。





隣で喋ってる杏里に適当に相槌を打ちながら、頭には何も入っていない。





ただ、頭の中に浮かんでるのは。





……昨日の、宮地葵のあの瞳。





―――ズキン





また、胸が痛む。





きっと…あの瞳は、誰かを想っていた。





宮地葵にとって、大切だった人。





“だった”じゃなくて、今も…かな。



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