紙ヒコ―キ




「映未、何ボーっとしてんの?」





そう言って、心配そうにあたしを見る杏里。





「え?…今、何時間目?」





「3時間目だよ?」





うそ、もう3時間目!?





いつの間にそんなに時間が経ったの?





全然授業聞いてなかった……。





てゆうか、その間ずっと宮地葵の事考えてたんだ…。





前の席をちらりと見ると、彼の姿はなかった。





「どうしたの、映未。今日、ずっと上の空だよ?」





「………っ」





「何か、あったんでしょ?」





杏里…。





やっぱり杏里には、何でもお見通しだね。





あたしは素直に、首を縦に小さく振った。




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