紙ヒコ―キ
――4時間目の授業が始まった。
宮地葵は、授業が始まるギリギリに戻って来た。
昨日はあんなに距離が近かったのに、今日はものすごく遠い。
距離が縮まったなんて思ってるのは、あたしだけなのかな。
……そうだよね。
たった1日で、宮地葵があたしに心を開いてくれる事はないもんね。
…分かってた。
ちゃんと分かってた、けど。
でもやっぱり、胸が苦しいよ。
寂しそうな大きい背中を、あたしは見つめた―――。