紙ヒコ―キ
「だってあたしッ…映未が苦しむって…分かってるのに…!」
「もう…やめて。」
……もう、いいんだよ。
杏里が自分を責めることなんてない。
杏里は何も悪くないんだよ。
「あたしは、杏里が傍にいてくれたから、笑うことができてる。」
杏里が、どれだけ力になってると思う?
あたしが、どれだけ杏里に感謝してると思ってるの?
「お願いだから…もう謝らないで。」
「映未……ッ」
潤んだ瞳の杏里と目が合う。
あたしは、今出来る精一杯の笑顔を向けた。