紙ヒコ―キ



「良かった…。映未が倒れたって聞いたから…」





ホッとしたように杏里は笑う。





あたしは、気になってた事を聞いてみた。





「誰が、ここまであたしを運んでくれたの?」





「確か…宮地葵だよ。」





………。





杏里の言葉にあたしは固まる。





「うそ…宮地葵……?」





「うん。偶然通りかかって、倒れてるのを見つけて、ここまで運んだらしいよ?」





また、助けてもらったんだ…。





「お礼…言わなきゃ。」





「多分、屋上にいるよ。」





あたしはゆっくりと立ち上がって、杏里を見る。





「…ありがと。」





「…ん。行ってらっしゃい。」





あたしは彼のいる屋上へと急いだ。





< 81 / 275 >

この作品をシェア

pagetop