紙ヒコ―キ
「良かった…。映未が倒れたって聞いたから…」
ホッとしたように杏里は笑う。
あたしは、気になってた事を聞いてみた。
「誰が、ここまであたしを運んでくれたの?」
「確か…宮地葵だよ。」
………。
杏里の言葉にあたしは固まる。
「うそ…宮地葵……?」
「うん。偶然通りかかって、倒れてるのを見つけて、ここまで運んだらしいよ?」
また、助けてもらったんだ…。
「お礼…言わなきゃ。」
「多分、屋上にいるよ。」
あたしはゆっくりと立ち上がって、杏里を見る。
「…ありがと。」
「…ん。行ってらっしゃい。」
あたしは彼のいる屋上へと急いだ。