紙ヒコ―キ
分かってたけど、でもやっぱり……悲しいな。
「じゃぁ、また明日っ」
それだけ言って、宮地葵に背中を向ける。
それでも何も言わない事を確認して、あたしは入り口への方へと歩き出す。
「……待て」
「………え…?」
耳に届いたその声に、あたしの足は止まる。
おそるおそる振り返ると…そこには宮地葵が立ってて、あたしを見下ろしていた。
「お前…かなり苦しんでたぞ。あまり、無理すんな。」
宮地葵はそう言って、あたしの頭の上で手をバウンドさせた。
だけどすぐにあたしの横を通り過ぎて、先に屋上を後にした。