紙ヒコ―キ



――学校に着いて靴を履き替えていると、3年生の女の先輩2人が廊下で話していた。





「ねぇねぇ。宮地クンって子、カッコ良くない?」





1人の先輩が、そう言っているのが聞こえた。





あたしはドキリと胸を鳴らす。





“宮地クン”って…まさか…。





「うん。あたし、すっごくタイプなんだ。でもさ、女嫌ってるらしーよ?」





もう1人の先輩が言う。





聞いちゃいけないけど、ちゃんと分かってるけど、聞きたいと思ってしまう。





…でも、やっぱり聞いちゃダメだ。





そう思って、2人の横を慌てて通り過ぎた時…




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