紙ヒコ―キ
――着いた先の屋上で、どす黒い不機嫌オーラを放っている宮地葵。
あたしは怖くなって、掴んでいた宮地葵の腕を慌てて離した。
何て言おう…。何て言ったらいいの?
1人オロオロとしていると、前から大きな溜息が聞こえた。
あたしはふと、顔を上げる。
「お前さ…何がしたいの?」
「え……」
「腕引っ張られてついてきたら、黙って何も言わねーし。…何の用事?」
鋭い目つきであたしを睨んでいる。
その瞳は、凍りつくほど冷たくて。