メリーさんの長電話
全章
「もしもし、わたしメリーさん、今ね」


そこまで口にしたところで、電話の向こうの相手が何やら奇声をあげたのが聞こえた。

たまにこういう反応をされるのは、私が有名になったからだろうか。

驚かれたりするのは、もう慣れっこだった。


『マジで? メリーさん?』


続けて聞こえてくるのは、どこか弾んだ声。

あれ、とどこか違和感を覚えながらも、私は頷く。


『本物ですか!うわー、マジかマジかー』


……えっと。


なんでこの人は、ここまで喜んでいるんだろう。



『で、今どこにいるの?』


その言葉で、ようやく私は自分が何の為に電話をしたのかを思い出す。
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