君、僕、あいつ
やべっ!
ボールは転々と転がっていった。
ボールはちょうど日陰に座っていた女の子の足の前で止まった。
女の子はボールに気付き、
俺の方を見た。
俺は近づいてボールを受け取りに行った。
「す、すいません!」
咄嗟に俺は言った。
女の子は読んでいた本を閉じてボールを拾い上げてくれた。
「はい、頑張ってね」
ボールを俺の手のひらに置くと、
女の子はにこっと俺を見て笑った。
「あ、ありがとう!」
俺はその場から立ち去った。