空き瓶ロマンス
「倫子、手ぇ止まってるよ。顔赤いけど、具合悪いの?」
グミが、心配そうに覗き込んできた。
「あ?ううん、平気……」
「とか言って、ずっと前倫子は夏休みに、熱中症で倒れたでしょ。
まったくもう。倫子はぎりぎりまで我慢してるんだから、
あの時はもう大変だったんだよー?」
「ああ、うん悪かったよ……」
言われてみれば、そんな事もあった。
ただ、私自身あの時は、とにかく暑くて気持ちが悪くて、
だるかったことしか覚えていない。