空き瓶ロマンス



「話って何だ」


信也から切り出すと、ふらふらと余所見をしていた、


みちるはのほほんと振り返り、



「……いや?空が、綺麗だなと思って……」



冬になりかけて穏やかになった、まろやかな日光を全身で噛み締めるように、


みちるは言った。



「……それだけか?」


「いけませんか?」



「駄目に決まっているだろう。俺だって忙しいんだ」



< 527 / 891 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop