空き瓶ロマンス
 


何度か嚥下すると、すぐに缶は空っぽになった。


それでもまだ気分が治まらなかったので、二缶目に手が伸びる。


だが、不意に倫子の事を思い出した。


(……そういえば、返事をしていなかったな)



時間が取れ次第受け取りに……とは言ったものの、具体的な日時を伝えるのを、


すっかり忘れていた。


しかし、今からでは取りに行くのも無理だ。もう飲んでしまっている。



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