空き瓶ロマンス
 


信也は、電源の切れた携帯電話を前に、

深い深い溜息を吐いた。

(船木め……)
 
携帯電話を開いた。

だが、その小さな機械は何の反応も示さない。

電源のキーを数秒間押しても同じだった。
 
一体、今までに何度これを繰り返したか分からない。
 
完全に、壊れてしまっていた。
 
船木の仕業だった。



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