空き瓶ロマンス
あの日、倫子が来る数分前に訪れた友人達によって、
結局あの後なり行きで宴会が始まった。
その時の悲劇だ。
倫子が帰った後、あろうことに酔っ払った船木が、
信也の携帯電話をふざけてかっぱらい、
転んだ拍子に持っていたグラスの中に水没させたのだった。
それ以来、ショートした携帯電話はうんともすんとも言わなくなった。
本々、あまり日常的に携帯電話を使う事は無く、
せいぜい時間を確認する程度だったのだが、今は事情が違う。