空き瓶ロマンス



その為に、ほとぼりが冷めるまで、

直接会うのは控えた方がいいと思ったのだ。
 
だから、きちんとその旨を伝えるつもりだった。
 
……扉が開いたら。
 
あの時、不意に扉が閉まった時に、

てっきり倫子が開けて来ると思っていた。
 
だが、それは無かった。

自分の甘えだった。
 
自分から開けた時には、もう倫子はいなくなっていた。


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