空き瓶ロマンス
 



時計の短針が何周かした頃、グミが私に言った。

「あれ倫子、いいの?もう五時回ってるけど……」

「いいの」
 
私が即答すると、何人かが首を傾げた。

「……いいんですか?」

「五時には上がるって……」

「だからいいのー。

今、親と兄と喧嘩中だから。

正直、家の事したくない」



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