空き瓶ロマンス
舞台に立った時、
私は絶対動いてはいけないので、大変だった。
体に触れられる度にくすぐったかったし、
髪が顔にかかった時は、痒くて仕方が無かった。
あの時に比べたら、今回の役はどれも楽そうだった。
キャラクターが多い分、一人一人の負担も、少ない。
「倫子、着替えたら発声やるから、すぐ来て」
「はーい」
「あ、あと発生終わったら照明の向き変えするから、手伝ってあげて」
「りょうかーい」
私はボタンを外しながら、
階段の下にいるチャーキーに返事をした。