空き瓶ロマンス



「あ、せんぱーい!おはようございますっ」

「おはよう、ヒム」

後輩が、紙袋を抱えて階段を上って来た。

鞄を背負っていたので、彼女も遅刻したらしい。

「もういやーん、今日寝坊しちゃって~……

そうだ、これゴス死神の役に丁度良いかと思って、

持って来たやつなんですけど」
 
そう言って取り出したのは、

フリルのたっぷり付いた白いブラウスと、

リボンとベルトで飾られた、黒のスカートだった。

サニーレタスみたいに嵩のある、

レースのペチコートも中から覗いている。



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