空き瓶ロマンス




今思えば、最初から無理がある関係だったと言えなくもない。

結婚した途端に、自分と彼女の間に、それまで無いように感じていたぎこちなさが見え始めた。


彼女のお腹が膨らんでいくに連れ、そのぎこちなさはお互いの負担になっていった。


子供が産まれて遂に、夫婦としての自分と彼女は破綻した。


一度は持ち直したと安心したが、再び彼女が妊娠した時には、二人の関係は冷めていた。




出会った時からは想像もつかないほど、ありふれた下らない理由で、別々になった。

ただし、ただ別れるだけで終われなかった。


子供が、修達がいたから……。


子供は、どの子も可愛かった。


よちよち歩きを始めた修、産まれたばかりの倫子達……。


彼らは互いに、同じ道を歩む事を拒んでおきながら、子供は欲しがった。


親権を、真剣に争った。……洒落でなく。



その結果、おかしな事になった。



< 684 / 891 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop