空き瓶ロマンス
今思えば、最初から無理がある関係だったと言えなくもない。
結婚した途端に、自分と彼女の間に、それまで無いように感じていたぎこちなさが見え始めた。
彼女のお腹が膨らんでいくに連れ、そのぎこちなさはお互いの負担になっていった。
子供が産まれて遂に、夫婦としての自分と彼女は破綻した。
一度は持ち直したと安心したが、再び彼女が妊娠した時には、二人の関係は冷めていた。
出会った時からは想像もつかないほど、ありふれた下らない理由で、別々になった。
ただし、ただ別れるだけで終われなかった。
子供が、修達がいたから……。
子供は、どの子も可愛かった。
よちよち歩きを始めた修、産まれたばかりの倫子達……。
彼らは互いに、同じ道を歩む事を拒んでおきながら、子供は欲しがった。
親権を、真剣に争った。……洒落でなく。
その結果、おかしな事になった。