空き瓶ロマンス
チャーキーの告白
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ずっと隠しておきたかった大切なものを、自分から引き剥がして、他人にあげた。
頑張ったのに、とても苦しかった。
今でもふと、どうしようもない寂しさが込み上げてくる。
この喪失感を、何と呼べばいいんだろう?
これが、失恋ってやつなのか……。
「あ、やーっぱりここにいたのね、チャコ」
「……何だ、千鳥」
昼休み。
キャッツウォークから現れた千鳥は、部室で一人、スポーツドリンクに口を付けていたチャーキーを見て、呆れた様子で言った。
「変な顔しないでよ。
ていうか、ここ寒くない? 教室行こうよ」
「……行かない」
「ふうん。まあ、いいや」
千鳥は、封の切られていない購買のパンに、目をやった。
「食欲ないの?」
「うん」
「そう。でもその割には、随分買ったわね。カレーパンばっかり、五個も」
「買い占めた」
「あっそ。でも私、お腹すいてるからお昼食べるよ。悪いけど」
「教室行けよ」
「やあよ」