空き瓶ロマンス
そう言うと千鳥は小さな手提げから、これまた小さな弁当箱を取り出し、包みを広げた。
チャーキーは、その弁当箱のサイズに顔をしかめた。
「……あのさ」
「何?」
「前から思ってたんだけど、それで足りんの? 量、少なくね?」
「足りると思えば、足りるよ」
「我慢大会か」
「そうでもない。慣れればこんなもんよ」
「ふうん」
千鳥が弁当を食べ始め、チャーキーがやっと一つ目のカレーパンに齧り付いた頃、
おもむろに千鳥は切り出した。
「ねえ、チャコ。訊きたい事訊いてもいい?」
「何?」
「……あのさ、何であんた倫子をあの人とくっつけたの?」
急にチャーキーは、パンを喉に詰まらせた。
飲み込み損ねたのだ。
げほげほ咳き込みながら、チャーキーはぜいぜい声で言った。
「……別に、どうでもいいじゃん……」