空き瓶ロマンス



「チャコは、女の子として倫子が好きなの? 


それともチャコは、『男の子』なの?」
 


――喋ってしまおうか、黙っていようか、一瞬本気で迷った。




だけど、今『これ』を言ったからって何になる……。

理解者を得る事よりも、リスクを生む危険の方が、遥かに高いだろう?

女子高校生なんて、所詮そんなものだ。口が軽い、子供……。

言ってはいけない、言ったら終わりだ。例え、それが親しい間柄でも。

そんなものは、『これ』を言ってしまえば、きっと未来永劫に終わる。

言ってはいけない、言いたくない。

答えられるわけが無い。

そっとしておいてくれ……。



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