空き瓶ロマンス
「だからその、私……こういうの、気にしないっていうか、
もう既に受け入れちゃってるから」
何が言いたいんだろう、と思ったらチャーキーは、
千鳥に後ろから抱きすくめられた。
「……後輩のみんなは、倫子のファンが多いけど、
私は舞台の上のチャコに惚れて入部したんだからね。
……そこは、忘れないでよ」
「うん……」
それは、初耳だった。
チャーキーは、胸の高鳴りを気付かれまいと必死になりながら、唇をにまにまと噛んだ。
嬉しいやら驚くやら、どうしたらいいのか分からない。
「今度一緒にカラオケ行こう。デートデート♪」
「……おう」
何とか、短く答えられた。
ガッツポーズを取って笑いそうになるのだけは、どうにか堪えられた。