空き瓶ロマンス
私達に気を遣ってくれてはいるのだろうけど、
彼はまだ、みちるが自分と血が繋がっていないという事実を、受け止めきれないでいるのではないかと思った。
でも、それを踏まえたうえで笑えるのだとしたら、なんて彼は大人なんだろうとも思った。
私は何となく、みちるの頭を撫でた。
よく見ると、私達はよく似ている。
泣き顔なんて、特に……。
ふと、みちるは顔を上げ、いい? と断りつつも返事を聞く前に、私の手を引いた。
特に断る理由も無かった私は、されるがままになっていた。