空き瓶ロマンス
新しいはじまり
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それからしばらくして、私は髪を切った。
自分で、鋏を適当に走らせて、ばきばきにしてしまったのだ。
長かった髪が床に落ちた時、何かが楽になった気がした。
母の遺影を見て以来、ずっともやもやしていた気持ちが、すっきりと晴れたのを感じた。
鏡の中にいたのは、ちょっとみちるに近付いた自分の姿。
「ふふっ」
何だか妙に嬉しかった。
右が長いので、右を切る。
すると今度は左が長くなってしまったので、左を切って……。
とやっているうちに、私の髪はどんどん短くなっていった。
……が、私の散髪を目撃し、悲鳴を上げた兄によって、
私は美容院に連行され、めでたくボブカットヘアーとなった。
そこでも、一悶着あった……。