空き瓶ロマンス



「それってね、恐竜の子孫が鳥だって言われたでしょ? 

で、鳥って赤とか黄色とか青とか、カラフルなやついるじゃん? 

だから、きっとその遺伝子が恐竜にもあっただろうって事で、奔放な色遣いになってきたんだって」


「確か、それまでは化石が見付かった場所の日光の強さで、

『この恐竜は色黒だったんじゃないか』とか、

保護色として深緑っぽかったかも、ってくらいの色だったよね?」


「そう。今より、ずっと控え目だったと思う」

「でもさ、そしたら、始祖鳥ってどうなるの? 

鳥の先祖は恐竜なんだよね? 

あと、空飛ぶプテラノドンの立場は?」


「そこはロマンだよ」


「同感」
 
笑いながら、私達の適当な恐竜談義は進んでいく。


「ねえ、倫子は恐竜の中で、何が一番好き?」

「うーん……、マイアサウラかなぁ。

顔は良くないけど。……みちるは?」


「僕はトリケラトプス」


「結構、正統派だね。じゃあ反対に、どれが一番怖い? 私ね、アーケロン」


「何で?」


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