空き瓶ロマンス
ハッピーエンドの、その先まで……
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『……赤ちゃんが出来たみたいなの』
ある日、電話でそう言われた。
「そうか。おめでとう……」
電話口で、信也は素直にそう言った。
『何よ。もっと驚くかと思ってたのに……』
それは、友人の長谷川からの電話だった。
今は、小野の籍に入ったので、『小野絵里子』という名前になっているので、
『長谷川』は旧姓なのだが、今更下の名前で呼ぶのも不自然なので、そのまま呼んでいる。
『ここのところ、体調がおかしくてね?
今日、病院に行ってきたの。
そしたら、もう二ヶ月になりそうなんですってー!』
「小野には言ったのか?」
『まだなの!
ちょっとね、今回サプライズをしようかと思って。その相談』
「サプライズ?」
『そう。プレゼントとか、素敵な企画を、色々と……。
んー、でも、結局はプレゼントが一番妥当なのかしら?
何をあげたらいいと思う?』
彼女の声は、うきうきとしていた。