空き瓶ロマンス
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多数決で選ばれた台本のキャラクターには、男の子が出てくる。
しかし、ここは女子校なので、誰かが男の子の役をやらなければならない。
近隣に男子校があれば、部活だけ合同で、というケースにも至るらしいが、
生憎、近隣の男子校には演劇部が無いので、誰かが男の子の役をやらなければならない。
「……さらしって、コルセットみたいだよね」
「いいから、こっち引っ張って……!」
「はーい」
私は、更衣ボックスの窓から伸びる白い布を、「せーの!」で思い切り引っ張った。
するとボックスの中から、「ぐぬあああああっ!」という、
女の子にあるまじき悲鳴が聞こえてきた。
「……できたー?
もう少し、強めにいく?」
「……うぐっ……もうちょい……」
「はい、じゃあ、せーの!」
「ぎゃーっ……ぐぐぐっ!」