空き瓶ロマンス
こんなふうに、気楽に笑えることばかりが続けばいい。
だけど、どうやらそんな簡単に世界は廻らないようで……。
――その日の部活が終わる頃、突然みちるから電話があった。
「みちる? どうしたの?」
『もしもし……倫子、今、……家にいる?』
「ううん、まだ学校だけど……」
『学校? こんな時間なのに?』
「部活やってるもん……どうしたの?」
『うん……ちょっと……』
みちるの声に、何か引っかかるものを感じた。
第一、こんな電話をしてくる事自体が、そもそも不自然だ。
「どうしたの」
もう一度、今度は強く言うと、みちるはぼうっとした声で呟いた。
『今から、そっち行ってもいい?』
「そっちって、どこの話?」
『……だから、倫子の学校』
「は?」
『行くね』
「ちょっと待って、みちる!」
――ツー、ツー、ツー……