空き瓶ロマンス



「はいはい、静まれー」
 
チャーキーがサバサバと助け船を出してくれたが、

「静まれっかああーっ!」

「写メないの? 写メ」

「無いよ」

「先輩と顔似てますか?」

「んー……どうなんだろ。

あ、でも小指とね、耳の形は一緒だよ!」
 
部室が、しんとなった。


「………?」
 
よく分からなかったが、みんなが何とも言えない表情をしていたので、

私はこの隙に荷物をまとめて、さっさと部室を後にしたのだった。
 

みちるに『何で来るの? 学校の場所分かるの?』とメールして、

校門付近で待ち伏せをしていると、しばらくして返信が来た。


『分かるよ。もうすぐ着く』


(……質問の答えになってない)


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