空き瓶ロマンス
「……とりあえず、こういった理由で僕は今、家に帰れません。
……だから、ここを追い出されたら、ファミレスかどこかに一晩潜んでます。
もしかしたら、今日こそ補導されるかもしんないけど。
……あるいは、倫子の家に行こうかな。
でも、そうなったら十中八九、兄のとこへ連絡が行くだろうし、
それがすぐじゃなくても時間の問題だろうし、大ごとになったら、
結局僕は多大なストレスを負うわけで、これ以上精神状態が乱れたら最後、
倫子と先生の事もうっかり他言しないとも限らな……」
「分かった、分かった。
そんな言い訳をしなくても泊めてやる!
……その代わり、今日だけだぞ」
信也がそう言うと、みちるはほっとしたようだった。