空き瓶ロマンス
孤独。
いつの間にか、みちるは常に静かに感じていた。
空っぽの青春を。
教室の中での居心地の悪さを。
群れていない事が、罪であるような。
一人でいる事を、可哀想だと言われているような。
焦りと怒りと、諦め。
そして、届かないものへの憧れ。自分はどこか不完全だと思えてならなかった。
恋人ごっこがしたい女の子より、友達が欲しかった。
みちるの正体は、そんなものだった。
「泣くほどかい……」
宗太が呆れて言った。
いつの間にか、みちるは無言で涙を流していた。
泣くつもりなど毛頭無かったというのに、ちょうどメンタルの限界だったのか、
緊張が切れたのか、みちるは決まりが悪そうに無造作に目をこすった。