空き瓶ロマンス
その日、もうすぐ式の余興が終わり、進行や厨房の片付けの忙しさもピークに達するといった時。
私は担当だった別館の掃除を終え、厨房で食器拭きを手伝っていた。
これは、手の空いたバイトが進んでやるべき仕事であり、食洗機にかけたばかりの食器は凄まじい熱さだが、
他のバイトの人とお喋りをしながら出来る仕事でもあるので、私はこれがそれほど嫌いでもなかった。
私はパートとして入った中年の女の人――大川さんのお喋りに相槌を打ちながら、
大人しくスープ皿を積み重ねていた。
その時だった。
「ちょっと鳩羽さん! 別館の掃除は!?」
いきなり、裏口から顔を出した友香さんに、怒鳴りつけられた。