空き瓶ロマンス



「友香さんと、新入りの彼女」


「……二人は何て?」


「あなたが、彼女の髪の事を注意したって事について。


……年下のあなたに言われて、プライドが傷ついたんでしょうね。


彼女、『私の髪より、鳩羽さんの髪型のが問題じゃないですか』って、友香さんに言い付けたのよ」
 

――唖然となった。
 

けど同時に、言い逃れ出来ないとも思った。
 

私は先日、髪を切ったばかりで、つまりはゴムで結べない長さになっていた。


でも、このくらいの長さの社員さんはいるし、大丈夫だと思ったという甘えが無かったと言えば嘘になる。


「女の友情ってのは、時々変に的外れなことするからね……」
 

大川さんが、しみじみ言った。


私は、手を止めてしまった。
 

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