空き瓶ロマンス
「――正直、ちょっと嫌ぁな予感はしてたのよね、あの新入りの子。
でも、人当たり良さそうだったし、仕事さえ出来るようになれば、
どんな子でもいいと思ってたんだけど……大誤算だったわ。
仕事が出来る可愛い子に、二人も辞められるとなると……」
オーナーは頭を抱える仕草をした。
確かに、私もこの時期に辞めるのは心苦しい。
十二月は、忘年会のシーズンだ。
色んな人、色んな組織が、この会場と料理を目当てに、やってくる。
予約は既にぎっしりだ。
「それに、年末の大掃除もあるし……」
私は、去年の大掃除を思い出した。
ロージーの、社員とアルバイト、総力を上げた大掃除……。