空き瓶ロマンス
「――というわけなの」
私はメールでのやりとりを電話に切り替え、みちるに言った。
「みちる、ロージーで働いてみる気、ない?」
『むーり、むーり~!』
電話の向こうから、ソファーかベッドが沈むようなドゥンという音がした。
どうやら、みちるが勢いよく倒れ込んだらしい。
「私を助けると思ってさ……」
『大体、僕バイトした事ないもん!』
「だったら尚更、社会勉強になるじゃない!
私だって、お小遣い稼ぎというよりは、そっちの目的で始めたんだもの」
『でもやだってば!
だってその、……ロージーには、兄さんがいるでしょ?』
「宗太君? いいじゃん。
何でも教えて貰えるし」
『やだよー! こっ恥ずかしいよー!』