空き瓶ロマンス
「子供みたいにぐじぐじ言わないの!
……でも、これってすごいチャンスだと思わない?
だって、ロージーは時給とってもいいし、出るお料理は全部フルコースだから、嫌でもマナーの勉強になるよ。
言葉遣いも徹底的に直されるし、行儀見習いだと思えば……」
何とか彼を説き伏せようとするものの、みちるの抵抗は凄まじかった。
いやだ、僕にはそんなもの必要ない。
お小遣いのやりくりだって上手くいってるし、働くなんて考えられない……等々。
要するに、みちるは私が思っていた以上の人見知りらしかった。
普段、ひょうひょうとしてる姿からは想像もつかないけど、そういえば宗太君が、そんな事を言っていた気がした。
みちるは一旦懐いた相手には、とことんまで甘えたり威張りくさったりするけど、
苦手な相手とは目も合わせないとか何とか……。