空き瓶ロマンス



私の頭の中はぐちゃぐちゃで、信也さんにさえここまで詳しくは説明しなかったのに、


結局、みちるには洗いざらい喋ってしまった。


みちるは電話では気付かなかったのに、私の顔を見るや否や、


真剣な顔で「何があったの?」と言ったのだ。


前に、みちるが落ち込んでいたのを、私が見抜いたように。


(……っていうか私、自分でも思った以上に、いま情緒不安定……)


家族との喧嘩とも違うようなダメージを食らって、すっかり参ってしまっていたのだった。


(しかも、信也さんには見栄張っちゃったし……)


本当はこんな意地なんて張らなくていいんだろうけど、いつまでも子供扱いされたり、無駄な心配をかけるのが、嫌だった。


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