絆
いつものように女を抱いて。
いつものようにまさにお楽しみの瞬間。
だからあたしも、お決まりのセリフを言う。
「何してるの、あなたたち?」
その声に慌てて服を直す姿を見る瞬間が、たまらなく優越感を与えてくれるのだ。
おっしゃ~、10連勝っ!
心の中でガッツポーズをしながら二人に近づく。
口元には、大人の笑みを讃えて。
「愛し合うのはあなたたちの自由だけど、時間と場所は賢く選びなさい?」
女が言った。
「あたしは佐倉くんに誘われただけだもん」
あたしは自分の勝利に酔いながら言う。
「はいはい、分かったから教室に戻りなさい?」
その言葉に女は頷いて歩き出す。
「はぁい…じゃね、佐倉くん」
そう言い残して女は去った。